一口にりんごと言ってもたくさんの種類があります。早いもので8月中旬から収穫が始まり、12月まで収穫の時期は続きます。収穫の時期によって、早生、中生種、晩生種と大まかに分けられます。
この記事を書いている10月頃であれば、秋映や、シナノスイートなどの品種が多く出回る時期になります。

さて、中生種から晩生種にかけては着色のために葉摘を行うものがあります。
りんごの赤色の主成分はアントシアニンというポリフェノールの一種(色素)なのですがで、紫外線の照射や低温によって発現が誘導されるため、果実に当たる日光を阻害する葉っぱを取り除いてあげることで赤くしてあげます。
ただし、葉摘の時期が早かったり、取りすぎたりしてしまうと、果実に十分な栄養が行き渡らないため、食味がよくなりません。おおよその目安はそれぞれの品種の収穫一ヶ月ほど前と言われています。

では、具体的に葉摘前後の状態を見比べてみます。

果実に直接触ってしまっている葉を取り除いてあげると、そこだけ緑色のままなのがわかります。
品種によっては葉摘のあとにたま回しと言ってりんごの実を日当たりの良い向きに回してあげることもします。
こうして味も見た目も良いりんごを育てていきます。結構手間暇かかってますね。

生産者さんの中には、葉取らずとして葉摘を行わない方もいらっしゃいます。また、着色の為にほとんどの葉を落としてしまう方もいらっしゃいますが、どちらも正解です。何よりも鮮やかな発色を求めるお客様もいらっしゃいますし、食味が一番良いものが欲しいという方もいらっしゃいます。話題性というものもあるでしょう。

これから寒い時期の果物となりますと、国内ではりんごやみかんが主流になると思いますが、是非色々と品種や生産地で食べ比べてみて、自分の好みを探してみていただきたいです。